社労士に合格するための平均勉強時間は?スケジュールを徹底解説

最終更新日:2025-01-06

社労士は、労務管理のアドバイスや指導、労働・社会保険に関する法令に基づき書類作成などを行える国家資格です。

社労士の試験は、法律や制度に関する専門用語が難しいほか、学習範囲が広く科目ごとに合格基準点が定められているため、合格するのが非常に困難と言われています。

そのため、長い勉強時間が必要なので、受験日までの期間を逆算しながらスケジュールを立てることが重要です。

そこで、この記事では社労士の勉強に必要な時間を期間別にご紹介し、1日あたりに必要な勉強時間を詳しく解説します。

勉強時間を短縮するポイントも解説しますので、参考にしてみて下さいね!

社労士に合格する平均勉強時間の目安は?

社労士試験は科目が非常に幅広いのが特徴で、以下の通り「選択式」と「択一式」で、合格基準点が定められています。

科目択一式選択式
①労働基準法及び労働安全衛生法10問(10点)1問(5点)
②労働者災害補償保険法10問(10点)1問(5点)
③雇用保険法10問(10点)1問(5点)
④健康保険法10問(10点)1問(5点)
⑤厚生年金保険法10問(10点)1問(5点)
⑥国民年金法10問(10点)1問(5点)
⑦労務管理その他の労働に関する一般常識10問(10点)(⑦、⑧の合計)1問(5点)
⑧社会保険に関する一般常識1問(5点)
合計70問(70点)8問(40点)

科目ごとに合格基準点があるため、なるべく苦手な科目を作らずにバランスよく勉強することも重要です。

受験経験者や学習済みの方の場合は、300時間〜500時間、初学者の場合は800時間〜1,000時間の勉強時間が必要と言われています。

1,000時間前後の勉強時間が必要なので、試験日に合わせてスケジュールを立てることが非常に大切です。

学習期間計算ツール

1日、1週間単位で勉強時間を確保できる時間を、事前に把握しておくことがおすすめです。

勉強開始月別!社労士の勉強スケジュール

社労士試験は毎年1回8月に行われるため、試験日に合わせて勉強のスケジュールを立てることが重要です。

ここで、1ヶ月を30日、総合勉強時間の目安を1,000時間と仮定し、5パターンの勉強スケジュールを比較してみます。

始める時期期間1日の勉強時間合計勉強時間
10月、11月、12月9ヶ月3.5時間〜4時間945時間〜1,080時間
1月、2月、3月6ヶ月5.5時間〜6時間990時間〜1,080時間
1月、2月、3月1年半2時間1,080時間
4月、5月、6月1年3ヶ月2時間〜2.5時間900時間〜1,125時間
7月、8月、9月1年3時間1,080時間

さらに、社労士試験は法改正の影響を特に受けやすい試験でもあります。

社労士試験に出題されるのは、毎年その年の4月上旬時点での範囲と決まっているので、5〜6月は法改正対策を組み込むことも頭に入れておくといいかもしれません。

10月、11月、12月から9ヶ月前後での合格を目指す場合

始める時期10月、11月、12月
期間9ヶ月(270日)
1日の勉強時間3時間〜4時間

10月、11月、12月から9ヶ月前後での合格を目指す場合は、以下の通り、1日3時間〜4時間を確保すれば800時間〜1,000時間勉強できます。

【30日×9ヶ月=270日】

  • 270日×3時間=810時間
  • 270日×3.5時間=945時間
  • 270日×4時間=1,080時間

以下の通り、基礎的な学習のインプットとアウトプットに半年前後使えるので、法改正対策や直前対策にも2ヶ月前後当てることも可能です。

期間内容
10〜4月・インプット
・アウトプット
5月〜6月法改正対策
7月〜8月・直前対策
・模擬試験

1年未満の学習期間のため少々ハードに感じますが、短期集中型の方にはおすすめのスケジュールです。

1日の中で3時間〜4時間の勉強時間を確保できる方、独学で勉強した経験がある方にもおすすめできます。

1月、2月、3月から6ヶ月前後で最短合格を目指す場合

始める時期1月、2月、3月
期間6ヶ月(180日)
1日の勉強時間5時間〜6時間

1月、2月、3月から6ヶ月前後での合格を目指す場合は、相当ハードなスケジュールになります。

合計で900時間〜1,000時間の勉強をしようとすると、以下の通り1日5時間〜6時間を確保しなければいけません。

【30日×6ヶ月=180日】

  • 180×5時間=900時間
  • 180日×5.5時間=990時間
  • 180日×6時間=1,080時間

以下の通り、1月から始めた場合は基礎学習のインプットとアウトプットに3ヶ月前後確保できますが、3月から始めるとすると、すぐに法改正対策の勉強も始めなければいけません。

期間内容
1月〜4月・インプット
・アウトプット
5月〜6月法改正対策
7月〜8月・直前対策
・模擬試験

受験経験のある方や基本的な知識がある方、学習済みでインプットを終えている方は可能かもしれません。

ただ、初学者にとっては6ヶ月前後での習得は、かなり厳しいスケジュールと言えます。

1月、2月、3月から1年半前後で合格を目指す場合

始める時期1月、2月、3月
期間1年半(540日)
1日の勉強時間約2時間

1、2、3月から勉強を始め1年半後に合格を目指す場合は、余裕を持ったスケジュールが立てられます。

学習期間を540日とすると、1日あたり2時間確保できれば1,080時間の勉強ができます。

以下のスケジュールは一例ですが、1年目と2年目で繰り返し学習できるのも大きな魅力です。

【1年目】

期間内容
1月〜6月・全体像を学ぶ
・インプット
・アウトプット
7〜10月演習問題
11月〜12月・苦手分野の把握
・過去問対策

【2年目】

期間内容
1月〜4月・全体像を学ぶ
・インプット
・アウトプット
5月〜6月法改正対策
7月〜8月・直前対策
・模擬試験

前年1月から勉強を始めれば、全体的な学習に半年程の時間を取れて、インプットとアウトプットを繰り返し訓練することが可能です。

1年目で苦手分野や科目が把握できれば、2年目で克服は克服に注力することも可能です。

長期的に学習したい方や、1日の勉強時間を短くしたい方にはおすすめのスケジュールと言えます。

4月、5月、6月から1年3ヶ月前後で合格を目指す場合

始める時期4月、5月、6月
期間1年3ヶ月
1日の勉強時間2時間〜2.5時間

4、5、6月から1年3ヶ月後に合格を目指す場合は、1日2時間〜2.5時間の勉強で900時間〜1,125時間の確保ができます。

【30日×15ヶ月=450日】

  • 450日×2時間=900時間
  • 450日×2.5時間=1,125時間

スケジュールの例は以下の通りです。

【1年目】

期間内容
4月〜6月・全体像を学ぶ
・インプット
・アウトプット
7〜10月演習問題
11月〜12月・苦手分野の把握
・過去問対策

【2年目】

期間内容
1月〜4月・全体像を学ぶ
・インプット
・アウトプット
5月〜6月法改正対策
7月〜8月・直前対策
・模擬試験

1年6ヶ月のスケジュールよりは基礎学習の時間が短いものの、1年以上の期間で勉強できるので、バランスの取れた期間とも言えます。

7月、8月、9月から1年前後での合格を目指す場合

始める時期7月、8月、9月
期間365日
1日の勉強時間約3時間

7 、8、9月は毎年の社労士試験が終わる時期に勉強を開始するパターンです。

1年は365日なので、毎日3時間の勉強で1,095時間を確保できることになります。

期間内容
前年7月〜12月・インプット
・アウトプット
1月〜4月・苦手分野に注力
5月〜6月・法改正対策
・過去問対策
7月〜8月・直前対策
・模擬試験

きっちり1年間の計画でスケジュールを立てたい方にもおすすめです。

社労士の最短合格スケジュールは?3ヶ月で合格したい!

社労士の勉強は、一般的に約1,000時間の勉強時間が必要のため、3ヶ月で合格スケジュールを立てるのは非常に厳しいと言えます。

仮に、1ヶ月を30日として3ヶ月で1,000時間前後の勉強をするスケジュールを立てる場合、以下の通り、1日11時間〜12時間は確保しなければいけません。

  • 90日×11時間=990時間
  • 90日×12時間=1,080時間

1日の半分を社労士の勉強に使うため、睡眠時間や食事の時間以外のほとんどの時間が奪われることになります。

ただ、職場で労務関係や人事管理、社会保険手続きの業務の経験がある方などは、勉強時間を短縮できる可能性もあります。

一方で、完全に初学者の場合は法律や制度に関する用語を覚えることも困難なので、3ヶ月間での習得は非常に厳しいでしょう。

3ヶ月間、勉強に集中する時間が確実に取れる方は可能かもしれませんが、あまり現実的ではないため、働きながらは厳しいスケジュールになると言えます。

1日あたりの勉強時間は何時間がおすすめ?

社労士の勉強時間は約1,000時間が必要ですが、毎日コンスタントに学習することがおすすめです。

社労士試験は毎年8月なので、試験日から逆算して考えるとスケジュールが立てやすくなります。

始める時期と学習期間ごとの1日の勉強時間は、以下の通りです。

始める時期期間1日の勉強時間合計勉強時間
1月、2月、3月1年半2時間1,080時間
4月、5月、6月1年3ヶ月2時間〜2.5時間900〜1,125時間
7月、8月、9月1年3時間1,080時間
10月、11月、12月9ヶ月4時間1,080時間
1月、2月、3月6ヶ月5.5時間〜6時間990〜1,080時間

1年以上の期間で学習する場合は、毎日3時間以内の勉強時間で1,000時間の確保ができるため、余裕を持ったスケジュールを立てられます。

出勤前や通勤時間、昼休みや帰宅後など、1日の隙間時間を活用すれば2〜3時間は充分確保できるのではないでしょうか。

一方で、1年以内のスケジュールで学習する場合は、1日4時間〜6時間の勉強時間を確保しなければいけません。

ただ、勉強時間を確保するために、極端に睡眠時間や食事の時間を削って無理をするのはおすすめできません。

1日、1週間単位で考えて、毎日どのくらい勉強時間を確保できるのか事前に考えてみるのがおすすめです。

社会人の場合の1週間のスケジュール

社会人の場合、働きながら確保できる時間配分を事前に考えてみると、効率的に学習計画が立てられます。

例えば、仕事の日は以下のような時間を有効活用できます。

  • 出社前の朝の時間
  • 通勤時間
  • 昼休み
  • 帰宅後
  • 就寝前

人によって生活リズムが異なるため、1日に確実に勉強時間を取れる時間帯が把握できると考えやすくなるかもしれません。

毎日コンスタントに学習するのがおすすめですが、休日に集中して勉強したい場合は、仕事の日は2時間、休日は3時間など、1週間単位でスケジュールを把握してみるのもおすすめです。

家族がいる場合は、家事や育児の時間なども配慮したうえで相談しながら、勉強時間を組み込むことも大切です。

学生の場合の1週間のスケジュール

大学生で社労士の資格を取れば、希少価値が高い人材と評価が高い評価を受けるため、就職の際に非常に有利になります。

社会人と比較すると大学生はまとまった勉強時間が確保できそうですが、授業やサークル、アルバイトなどがある場合は、うまく両立させるのもポイントです。

1日あたりに確保できそうな時間を把握し、1週間のスケジュールを立てていくと計画がしやすいでしょう。

授業の空き時間が数時間できることもあるので、隙間時間を活用して勉強する時間を確保することが可能です。

また、就職活動と資格取得の勉強の両立もあるため、余裕を持ったスケジュール管理がおすすめと言えます。

社労士の勉強時間を短縮するためのポイント

社労士の勉強時間は、一般的に1,000時間が必要とされています。

勉強時間は少しでも短くして、効率良くスケジュールを立てたいですよね。

ここで、勉強時間を短縮するためのポイントを以下の通り5つご紹介します。

  • 1日あたりに確保する学習時間を増やす
  • 注力する科目を絞る
  • 模擬試験や過去問で試験形式や内容に早めに慣れる
  • 各科目で正答率70%を目指す
  • 通信講座を使った独学で効率的に学ぶ

1つずつ解説します。

1日あたりに確保する学習時間を増やす

学習時間を短縮するためには、1日あたりに確保する勉強時間をうまく増やすことが重要です。

通勤時間や昼休みの時間のほか、家事の最中にも音声学習をするなど、とにかく時間を有効活用できると勉強時間を増やせます。

今までスマホやテレビをダラダラと見ていた時間があれば、勉強する時間に変えてみるなど、意識することも大切です。

注力する科目を絞る

社労士試験の難易度の高い理由として、出題科目が非常に多いことが挙げられます。

勉強していくうちに、自分で間違えやすい科目や苦手分野を把握できてくるので、なるべく注力する科目を絞ることが重要です。

それぞれの問題で70%以上の合格点を取る必要があるので、大まかな制度の仕組みを理解し全体的にバランスよく学習しなければいけません。

学習範囲が多いものの、過去問題で出題傾向を調べることも必要で、難易度の高い科目や重要度が高い分野をピックアップして注力するのもおすすめです。

なるべく苦手科目を作らないために、早めから対策ができるスケジュールを立てることも大切です。

模擬試験や過去問で試験形式や内容に早めに慣れる

社労士試験には、高確率で出題されやすい問題があるため、出題傾向に早めに慣れておくのが重要なポイント。

過去問を繰り返し解いていくことで、形式や内容に慣れることも可能です。

直前対策として本番と同じ形式で実施される模擬試験を受けることもおすすめです。

通信講座で実施している模擬試験の場合、社労士試験の試験傾向を分析した問題を体感でき、間違えた箇所や弱点の克服にも役立ちます。

1年以上の勉強スケジュールを立てる場合、最後の1ヶ月は総仕上げとして模擬試験や過去問の演習に集中できるのも魅力です。

各科目で正答率70%を目指す

社労士試験は多くの科目が出題されますが、以下の通り、科目ごとに「合格基準点」が設定されているのが特徴です。

科目択一式選択式
①労働基準法及び労働安全衛生法10問(10点)1問(5点)
②労働者災害補償保険法10問(10点)1問(5点)
③雇用保険法10問(10点)1問(5点)
④健康保険法10問(10点)1問(5点)
⑤厚生年金保険法10問(10点)1問(5点)
⑥国民年金法10問(10点)1問(5点)
⑦労務管理その他の労働に関する一般常識10問(10点)(⑦、⑧の合計)1問(5点)
⑧社会保険に関する一般常識1問(5点)
合計70問(70点)8問(40点)
合格基準合計44点以上かつ各科目4点以上合計25点以上かつ各科目3点以上

そのため、「合格基準点」を確実に取れることを目指せば良いため、満点を目指す必要はありません。

全ての科目をバランスよく70点を目指すように学習に取り組むと合格に近付くことが可能です。

通信講座を使った独学で効率的に学ぶ

社労士の勉強をする際には、市販のテキストや参考書で完全独学するよりも、通信講座を利用することがおすすめです。

社労士試験は出題範囲が広く、法律や制度に関する専門用語が難しいほか、毎年の法改正に伴う対策も必要です。

完全独学だと、最新の法律や制度を正しく学習できるとは限らないので、自己流で調べる時間の手間を考えると、非効率になってしまいます。

一方、通信講座なら専門家に最新の正しい情報を学べるので、最も効率よく学習できます。

通信講座は学習期間ごとにコースが充実しているので、自分に合ったスケジュールに合わせて選ぶことが可能です。

デジタルテキストを使った動画講義や音声講義で勉強すれば、毎日の隙間時間に効率良く学習できます。

社労士合格を目指すなら勉強時間の確保ができるスケジュール管理が大切!

社労士に合格するための勉強時間やスケジュールについて、詳しく解説しました。

社労士試験は学習範囲が広く長い勉強時間を必要とするため、スケジュール管理が非常に重要です。

ご紹介した期間ごとのスケジュールの例を参考に、1日、1週間単位で確保できる時間をイメージしてみることがおすすめです。

また、社労士試験は完全独学ではなく通信講座を利用して効率良く学習することがおすすめです。

今回の記事を、ぜひ参考にしてみて下さい。