FP(ファイナンシャルプランナー)の平均年収はどのくらい?業界や働き方別に解説


FP(ファイナンシャルプランナー)は、税金や保険、年金や資産運用などの幅広い知識を持ち、ライフプランの設計を行う専門家です。
銀行や証券会社など金融業界のほか、保険業界や不動産業界など幅広い分野で活躍できます。
一方、働き方や資格の等級、実績などにより年収の差が開きやすい特徴があります。
会社員として働く場合は営業業績が乏しいと報酬は下がり、独立して働く場合は、顧客の獲得ができないと収入が不安定になるためです。
ただ、働き方を吟味したり専門スキルを身に付けたりすることで、高収入を目指すことは可能です。
この記事では、FP(ファイナンシャルプランナー)の具体的な年収をご紹介し、高収入を目指すための働き方も解説しますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
FP(ファイナンシャルプランナー)の年収はどれくらい?
FP(ファイナンシャルプランナー)の年収は、業界や働き方などにより大きく差が出ることが特徴です。
ここで、以下のポイントで具体的な年収をご紹介します。
- FP全体の平均や中央値
- 男性と女性それぞれの年収
- 独立型、会社員型、副業型それぞれの年収
- 3級、2級、1級による年収の違い
- 保険会社や銀行、不動産会社など、業界による違い
1つずつ解説します。
FP全体の平均や中央値
厚生労働省による賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成された、職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtagによると、2023年度のFP(ファイナンシャルプランナー)の平均年収は947.6万円とされています。
厚生労働省>令和4年賃金構造基本統計調査によると、2022年度の平均年収は780.9万円とされているため、年収の平均値は上昇していることが分かります。
ただ、FP(ファイナンシャルプランナー)の年収は、年齢や経験、雇用形態や地域などによって差が開きやすいため、一概には言えません。
男性と女性それぞれの年収
FP(ファイナンシャルプランナー)の男性の平均年収は720万円、女性の平均年収は443万円とされています。
FP(ファイナンシャルプランナー)に特定した年収の詳細はなかったため、金融営業職従事者と保険営業職業従事者の年収を参考にしています。
性別 | 金融営業職業従事者 | 保険営業職業従事者 | 平均 |
---|---|---|---|
男性 | 673万円 | 765万円 | 720万円 |
女性 | 500万円 | 387万円 | 443万円 |
上記の通り、男性と女性では年収の差が大きいことが分かります。
女性は結婚後や出産後は育児や家庭の事情でパートタイムとして働く場合も多く、年収が下がりやすい傾向があると言えます。
一方、女性を役職者にする企業も増えているほか、独立して成功すれば高収入を目指すことも可能です。
独立型、会社員型、副業型それぞれの年収
FP(ファイナンシャルプランナー)には、以下の3種類の働き方があります。
- 独立型
- 会社員型
- 副業型
独立型はフリーランスや個人事務所を開業する働き方で、個人や企業の顧客から直接依頼を受けます。
顧客が集まらないと無収入になるなどのリスクがありますが、成功すれば1,000万円以上の年収も可能で、最も高収入が期待できる働き方です。
会社員型は固定給が多く安定性がありますが、営業業績によって報酬が変動する歩合制の場合も多くリスクもあります。
ただ、収入が安定し福利厚生も充実しているなど、年収よりも安定を優先したい方におすすめです。
副業型は、本業を持ちながら副業として活躍できるので、リスクが少ないのが魅力で、転職や独立を考えている方にもおすすめの働き方です。
年収は副業に確保できる業務時間や内容によって異なり、個人差があります。
また、本業で副業が許可されている場合のみの働き方なので、事前に確認しておきましょう。
3級、2級、1級による年収の違い
FP(ファイナンシャルプランナー)の等級ごとの年収の詳細データはありませんが、以下の通り可能な業務内容が異なります。
等級 | 内容 |
---|---|
3級 | ・基本的な家計管理やライフプランニングのアドバイス ・保険の見直しなど日常生活のサポート |
2級 | ・個人や中小企業向けの資産運用 ・住宅ローンのシミュレーション|教育資金計画 |
1級 | ・法人向けの高度なコンサルティング ・企業の財務戦略やリスク管理 |
3級では基本的なアドバイスをするアシスタント的な業務が多いですが、2級以上を取得していると、よりプロフェッショナルな働き方ができ、独立して働くことも可能になります。
そのため、年収アップを目指したい方は2級、1級以上の資格取得を目指すのがおすすめです。
2級と1級も資格取得には、通信講座を利用するのがおすすめです。
保険会社や銀行、不動産会社など、業界による違い
FP(ファイナンシャルプランナー)は、以下のように幅広い業界で活躍できます。
- 金融業界(銀行・証券会社など)
- 保険業界
- 不動産業界
- コンサルティング業界
FP(ファイナンシャルプランナー)の業界ごとの平均年収は一概には言えませんが、取り扱う商品や契約内容によって1,000万円以上の年収を目指すことも可能です。
金融業界では、富裕層や法人顧客向けに投資信託や債券など資産運用に関わる高額商品を扱うほど高収入になります。
一方、銀行や信用金庫などは年収の上限が限られますが、安定性が高いのが特徴です。
保険業界では、生命保険や年金保険など高額で長期的な商品を扱うことで、契約数に応じて営業成績が決まり年収に影響が出やすい傾向があります。
不動産業界は、不動産売買やローン契約など成功型報酬の場合が多く、1件あたりの取引額が高額なことが多いのが魅力です。
景気変動の影響を受けやすいですが、宅建士も取得しておけばキャリアの幅が広がり年収アップも目指せます。
コンサルティング業界では、法人や富裕層を対象に資産運用や相続対策のアドバイスをすることで高収入を目指せます。
ファイナンシャルプランナーの具体的な年収例
FP(ファイナンシャルプランナー)の具体的な年収例を、以下の通りご紹介します。
- Yahoo!知恵袋やXでの投稿
- ソニー生命の場合
- アクサ生命の場合
Yahoo!知恵袋やXでの投稿
Yahoo!知恵袋やXでの投稿を元に、年収に関する口コミをご紹介します。
あるファイナンシャルプランナー主婦の平均年収を計算したところ1200万円にも上りました。軽く普通のサラリーマン超えてますよね。これを聞いたら女性に対して頭上がらなくないですか?
引用元:X
ファイナンシャルプランナーは、女性でも稼げる可能性が高いことが分かります。
税理士新聞3/5号「16士業の平均年収」調査結果。ここでいうFP技能士にはどんな仕事をしている人が含まれているのだろうか。完全に独立しているFPなのか、保険代理店などのFPも含まれているのか?いずれにしてもFPは食えないと言われているが、もっと高い年収を目指す事は可能だと思う!
引用元:X
士業を比較した平均年収の調査結果によると、FPは年収が低く感じますが、働き方や業界の掲載はないため、一概には言えないという見解の口コミです。
先ず起業している場合と会社勤めの場合で違います。
会社員でファイナンシャルプランナーという肩書で働いている方が多いのは金融機関(銀行か保険会社)だと思います。女性が多いでしょうね。
収入は企業規模によりますが少なくはないと思いますよ。どちらかというと、多いでしょう。
FP資格を活用して起業している場合、専門分野を持って起業している方が多いです。
専門分野としては保険、証券(投資信託)、不動産の3つです。
資産運用の提案として、この3つを活用するということです。
この3つのどれかを専門として起業している場合は収入はかなり多いと思います。
収入が少ないと言われるのが、純粋な個人のライフプランの見直しと提案を専門としている、本来のファイナンシャルプランナーです。
本来のファイナンシャルプランナーは起業しているFP資格保有者全体の10%未満です。
ライフプランの見直しと提案の前には必ず相談業務があり、相談=無料と考える顧客が多い為、収入になりにくいという側面があります。
ファイナンシャルプランナーの認知度が上がり過去に比べ収益化はやりやすくなっています。
シッカリ収入(600万〜1000万)がある方もいますし、復業としてやってる方もいます。
引用元:yahoo!知恵袋
会社型か独立型かの働き方で、年収は大きく異なるということが分かります。
ソニー生命の場合
ソニー生命では、「ライフプランナー」という肩書きで、FP(ファイナンシャルプランナー)が生命保険に関するコンサルティング業務を行っています。
年金制度や住宅購入、入院や介護、子どもの教育まで具体的なアドバイスを行い、オーダーメイドのライフプランを提案するのが特徴です。
ソニー生命の正社員全体の平均年収は819万円の一方で、ライフプランナーの平均年収は1,013万円と高い傾向にあります。
保険や金融全般に関する幅広い知識が求められるため、採用基準が厳しく、教育と訓練を徹底して人材育成をしているため、年収は高くなるのかもしれません。
入社後は初期トレーニングの段階として初任給に応じた固定給の期間が4ヶ月間あり、販売実績や品質評価によって報酬が決定されます。
歩合制のため契約数が少ないと報酬が下がるリスクがありますが、契約数を増やしていけば年収アップを目指すことも可能です。
引用元:openwork>ソニー生命保険株式会社
アクサ生命の場合
アクサ生命でFP(ファイナンシャルプランナー)として働く場合、「ライフマネジメント」としてコンサルティング業務を行います。
マネープランとリスクプランを含めた、具体的なライフプランの提案をするのが特徴です。
アクサ生命の公式サイトによると、社員の平均年収は約640万円で、業績に応じて毎月の給与が変動すると掲載されています。
また、営業管理職のキャリアパス制度があり、役職ごとの年収モデルは以下の通りです。
引用元:アクサ生命
役職 年収モデル セールスマネージャー 420〜900万円 営業所長 704〜1,360万円 支社長 1,008〜1,536万円
openworkのアクサ生命のページでは、FP(ファイナンシャルプランナー)の平均年収の掲載はありませんが、役職や実務経験、業績によって差が開くと言えます。
ファイナンシャルプランナーの年収は何で決まる?
ファイナンシャルプランナーの年収は、以下の通り働き方や実力で変わります。
- 独立しているか会社員として働いているか
- 歩合制なら営業成績によるところが大きい
- 専門分野における実務経験や知見の深さ
1つずつ解説していきます。
独立しているか会社員として働いているか
FP(ファイナンシャルプランナー)は、独立して働く場合と会社員として働く場合では、年収に違いが現れます。
会社員で働く場合は、銀行や保険会社、証券会社や不動産会社などで働くことが多く、収入が固定されており福利厚生や賞与が充実していることも多いです。
業界によっては業績次第で報酬の変動が激しいこともありますが、比較的安定して働くことが可能です。
独立で働く場合は、保険販売や資産運用のアドバイスやコンサルのほか、セミナー講師など幅広く活躍することが可能です。
個人の力で集客する必要があるので、収入が不安定な点がデメリットで、営業の努力が必要になります。
一方、成功すれば上限なく高収入を得られる可能性があり、自分のペースで働けることも魅力です。
歩合制なら営業成績によるところが大きい
FP(ファイナンシャルプランナー)が歩合制で働く場合、営業成績は非常に重要です。
銀行や証券会社、保険会社で働く場合、保険商品や投資信託などを顧客に販売し、手数料の一部を収入として受け取ることが多いでしょう。
安定した収入を得るためには、継続的に顧客を獲得する必要があるため、専門的なスキルをアピールするのはもちろん、顧客からの信頼を得ることも必要になります。
そのため、コミュニケーション能力が必要不可欠なほか、営業スキルを磨いたり、顧客のターゲット選定の見極めをしたりすることも重要なポイントです。
また、企業で働く場合には収入に限界があるため、年収アップを目指すのであれば独立して完全歩合制にして、収益を最大化することも選択肢の一つです。
専門分野における実務経験や知見の深さ
FP(ファイナンシャルプランナー)には、以下のように幅広い業務内容があり、専門分野における実務経験や知見の深さは重要です。
- ライフプランニングと資金計画
- 生命保険や医療保険、損害保険の見直しや提案
- 資産運用と投資アドバイス
幅広い知識があるのも重要ですが、専門分野に特化することで、具体的なアドバイスができて顧客からの信頼度が高まります。
実務経験を積むことにより、複雑な案件にも柔軟に対応ができるようになるでしょう。
興味のある分野があれば、専門分野に特化して専門性を高めるのがおすすめです。
また、長期的なキャリアを考えるのであれば、税理士や会計士、宅建などの資格取得にもチャレンジして、他のFP(ファイナンシャルプランナー)と差別化をはかることも重要です。
年収の低いファイナンシャルプランナーから脱却するには?
FP(ファイナンシャルプランナー)は実務経験が少なかったり専門性に欠けてしまったりしていると、顧客の獲得が難しいため年収は低くなってしまいます。
年収アップを目指すためには、専門分野に特化したり、関連する資格の取得をしたりすることで、他のFP(ファイナンシャルプランナー)と差別化をすることがおすすめです。
例えば、保険や不動産、投資などの分野で特化していると、専門的な提案ができるので、顧客からの信頼度が高まります。
また、税理士や会計士、宅建士など関連する資格を取得することで知見が深まり、継続的に信頼関係を築いていくことも可能です。
営業力やコミュニケーション能力、マーケティング力などのスキルを高めるために、継続的に学習をして最新の知識をアップデートし続けていくことも重要です。
税理士や会計士、宅建とFPの年収の違い
FP(ファイナンシャルプランナー)の他に、税理士や会計士、宅建士の年収を比較すると以下の通りです。
資格 | 平均年収 |
---|---|
税理士 | 734.7万円 |
会計士 | 746.7万円 |
宅建士 | 579.5万円 |
FP | 947.6万円 |
引用元:厚生労働省>jobtag>ファイナンシャルプランナー
上記のデータは、独立型で働くFP(ファイナンシャルプランナー)を含めているため、年収が高い傾向にあります。
税理士や会計士、宅建士はFP(ファイナンシャルプランナー)と関連する業務が多いので、資格取得にチャレンジすれば年収アップも目指せます。
税理士や会計士、宅建は、通信講座を利用することで効率良く学習ができるのでおすすめです。
以下の記事では、それぞれの資格取得におすすめの通信講座をご紹介しているので、参考にしてみて下さい。
ファイナンシャルプランナーの年収に関するよくある疑問
ファイナンシャルプランナーの年収は低い?
口コミや評判によるFP(ファイナンシャルプランナー)の平均年収データは、副業や実績が少ない方の年収も対象にしている場合もあります。
そのため、平均年収が低いというイメージを持ってしまう方も多いと言えます。
ただ、厚生労働省のデータによると2022年度の平均年収は780.9万円、2023年度の平均年収は947.6万円と記載があるため、決して低い年収ではありません。
また、資格保有者の競争が激しいことや、会社員型での収入に限界がある背景も理由の一つです。
資格の等級や勤務する業界、働き方などにより年収には差が出るため、一概に年収が低いと断言できるものではありません。
ファイナンシャルプランナーの仕事は年収の割にきつい?
FP(ファイナンシャルプランナー)は、最新の情報を学び続けることや、営業活動が必要なので、年収の割に仕事がきついと言われることもあります。
顧客に対して、資金計画やライフプランニングについて的確なアドバイスをする必要があります。
そのため、保険や税金、投資や不動産など幅広い知識が必要で、常に最新の情報を学び続けることが重要です。
また、保険業界や金融業界で働いたり、独立型で働いたりする場合は、顧客の獲得をするための営業活動がハードになる場合もあります。
ファイナンシャルプランナーの年収は働き方や業界によって差が出る
この記事では、FP(ファイナンシャルプランナー)の年収について解説しました。
業界や等級、働き方などによって、大きく異なることが分かりました。
2級以上の等級の取得をしたり、関連する資格の取得にチャレンジすることで、業務の幅が広がり年収アップのチャンスも広がります。
年収は働き方や実務経験、幅広い知見によって差が開くため、年収アップを目指すならキャリアアップに向けた工夫が必要です。
FP(ファイナンシャルプランナー)の資格は、通信講座を利用すると効率良く学習ができ合格率も高まります。
おすすめの通信講座に関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみて下さいね!